GEW12月号
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っかりしたライセンスを持つプロの常駐と、居心地の良いデザイナーズ空間です。カッコイイ空間にこだわって安価な方向は目指さない。以上が当初からの方針でした」 24時間無人のインドアとは正反対だけど、そう考えた理由は?「私は学習塾を経験してこの業界に来たので、まずは属人的じゃないやり方を考えたんです。なぜなら塾経営の怖さは、優秀な先生が辞めちゃうこと。生徒を全部連れて出て行く怖さがありますので、属人性はなるべく下げたかった。だけど無人にはしたくないという、相反する矛盾があったわけです」その矛盾を解決するロジックは?「まず、テクノロジーを積極的に入れながら、仕組化できるものはどんどんする。その上で、銭湯やスナックみたいな温度感で、地域の寄合所的な居心地の良さを追求すること。社内ではウェルネス・ハブ・スポットと呼んでるんですが、デザイナーズ空間へのこだわりは敷居を上げるためではなく、居心地の良さを求めるためで、属人的ではなく、居心地の良さで人を集めようと」 なるほど。御社は店舗数を増やすのにFCをほとんど使ってない。スています。だからFCの経験はあるんですが、インドアのFC競争がここまで激しくなると他社と我々の違いについて、正直に言えばあんまりない。ないことがFCに消極的な理由だと思うんですね。で、異業種を見ると、スターバックスも途中からFCをやめて直営に舵を切った。スタバは単なるコーヒー屋じゃなく、サードプレイスを目指すんだと」サードプレイスというのは職場と自宅の中間地点で一息つく。文化的にはスナックと一緒です。「はい。我々は単にゴルフ練習場の提供ではなく、地域に愛される寄合所を目指しているので、FCオーナーとの相性、つまり『いくら儲かるの』と言われても噛み合わないんです。銀行からは『なんでFCやらないの?』とか『店舗数の何%はFCで』とか言われますが」だけど直営だと出店のスピードが遅いでしょう、自己資金だから。「たしかに、そこはジレンマを感じています。FCだと出店速度が爆上がりするので。正直、ブランド力ってイコール店舗数みたいなところがあるじゃないですか。当社の年商は前期20億円を記録して、インドア業界ナンバーワンを自負してます。だけど店舗数ではステップゴルフさんが倍以上(126店舗)だから『業界1位はステップゴルフでしょ?』と言われてしまう。そこは認めざるを得ないところで、」トップシェアは強いですね。他社    思ってます。パートナー(FC)もの参入余地を潰せるし。「ただ、何を優先するかだと思うんですよ。会社は『人』で出来ているので、会社づくりは人づくりだと私は大事だけど、パートナーというよりも、従業員と一緒に会社を成長させたいという信念でここまで来た。だナック的な温度感は、直営じゃないとやりにくい面があるのかな。「そうなんです。FCは非常にいいもんだとは思いますが、サービス業に限れば難しい要素もあるんですね。FCをモデル化しやすいのはコンビニに代表される物販や飲食、特に飲食のFCは物流や食材、レジのシステムも統一して広げやすいわけですが、業態によっては向き不向きがあって、FCオーナーがメリットを感じなくなると、本部はメリットを出し続けなきゃいけない。ってことは疲れちゃうんです」 FCオーナーのメリットとは?「結局のところ、儲かるかどうかだと思うんです。実はウチも4店舗目がFCで、今は3店舗だけFCが残っ次の中期経営計画は100店舗50億円041DECEMBER 2024

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