けど、正直に申し上げれば、今は少し悩んでまして……」拡大するには、やっぱりFCが手っ取り早いから?「はい。当社はこれまで首都圏中心の出店でしたが、今後地方での展開を考えるとFCメリットが少し上がると思うんですよ。首都圏には地の利や人脈があるけれど、仮に大阪に直営を出すとなると、支店を置いて人の常駐も必要になる。ゼロからのコストを考えると、地域の有志にエリア権を買ってもらうのもひとつの在り方かな、と。その場合は地域の法人で基幹ビジネスを持っていて、ちゃんと社員を抱えている企業さんに、エリアで数店舗任せるという感じでしょうか」 今の51店舗の外周円は?「幹線道路の16号線が千葉、埼玉を回って神奈川まで走ってますが、その内側というイメージです」 そこから一気に関西に出る?「正直何も決まってないんですが、前回の中期経営計画(50店舗20億円)は予定通り達成しました。次は2030年までに、引き続き従業員と一緒に100店舗50億円を目指す計画の中で、あと20~30店舗は今と同一エリアで深掘るのが効率的と考えていて、残りの20~30店舗を直営なのかFCなのか、エリアを含めて検討している最中です」今のエリアを深掘るという具体的なイメージはどんな感じですか。「ひとつには店舗間の相互利用です。同一エリアで店舗の密度が濃くなれば相互利用の利便性が高まるので。ただ、インドアは急激に増えたので物件の出玉がなかなか見つからない。そこがちょっと苦しいんですね。私が起業したときはブルーオーシャンで、まさにパイオニアだったと思うんですが、そこから成長期が来て、今は成熟期に入っていて」成熟期の次は衰退期に入る。「まぁ、経済のライフサイクルで言えば衰退期に入るのかもしれませんが、我々は衰退するわけにはいきません。多分、上位2~3社に絞られる中でここに絶対入らなければ」 上位2~3社を争う顔ぶれは?「現状では我々とステップゴルフさん、スマートゴルフさんにラウンジレンジさんあたりでしょうか」 各社とも特異性がありますね。「そうですね。インドアは大きく3パターンに分かれると思っていて、まず有人か無人かに分類され、有人にはレッスンがある。その中で六本木等の立地で月会費4万~5万円の高単価モデルと、我々みたいなサブスクモデルに分けられます。少打席の無人とは一線を画してますが、その無人モデルは難しいだろうな、という答えが出てきた状況だと思うんですね。なぜなら、このパターンでの案件がすごく増えてきた」閉鎖して、居抜きの案件が増えてきた。どうにかしてくれと?「毎月1~2社の情報が入ってきて、1社で10店舗のケースもあるんですね。そんなインドアのM&A専用サイトもあって、沢山情報が出てるんです。先ほどの経済原則の話ですが、成長期は競合が激しくなって単価が落ちる。その中でごく稀に高単価路線は存在し得ると思いますが、全般的に単価は下がる」一般的な認識として、下限は月額4000円前後、上限は5万円ぐらいの中で、下限の競争で無人の24時間営業が苦戦している状況は、コア層を50~60代と仮定すれば深夜零時に一人黙々と打ってる姿はイメージしにくい。飽きるだろうし。「無人の苦戦要因は、人とのリレーションがないところにもあるでしょうね。ウチもコロナ禍で付け焼刃のオンラインレッスンをやりましたが、バックヤードにプロがいるのに非接触で対面できない。プロもストレスが溜まるしお互いに不満足で、非常に評判が悪かったんです」隣室にいるのに画面越しで。「はい。インドアは若年層にウケると思われがちですが、実際は男女とも平均年齢は50歳前後で、若い女性が増えたと言っても平均年齢は下がってこない。40代とか50代が支える市場なんですね。するとさっきのスナックみたいに、人とのリレーションが強く求められる」3パターンが混然一体として、無 フ場との連携がとても大事で、当社人が劣勢になってきたと。そういった状況が現在地として、今後発展するための糸口というか、大きな起爆剤はあるんですか。「あると思ってます。ひとつにはゴルは首都圏でアクティブユーザーを1万人持ってますが、大半の会員がラウンドのための何かを求めているからゴルフ場との相性は抜群に良い。コンペやラウンドレッスンもそうですが、コースデビューはハードルが閉鎖の店舗情報が沢山出てきました042
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