人手不足が深刻だが、ゴルフ業界も例外ではない。特にゴルフ場は、キャディやコース管理の人材確保に懸命だが、近年の酷暑もあって人手不足に苦慮している。かつて、バブル時代にはキャディの存在が不可欠だった。来場者のピークは1992年の1億232万人(ゴルフ場数2028)で、どこも満員だったからコース内の「渋滞」は死活問題。牧羊犬のごとく、キャディはゴルファーの尻を叩き、プレイファーストを主導した。客は、コース内の売店で心づけのゴルフ場の雇用環境キャディ不足を考えるカジュアルゴルフの普及が大衆化への王道と言われて久しい。特に、若者に門戸を広げるには、安く楽しめるセルフプレーが有効とされ、距離計測器の進化も流れを後押しする。ところが……。一方ではゴルフ場の多層化もあり、ハイエンド型を目指すゴルフ場にはキャディが不可欠。単にボールを探すだけではなく、優秀なキャディの存在がゴルフ場の評価を高めてくれるからだ。そのキャディの争奪戦が、各所で熱を帯びている。恒常的な人手不足と水面下の引き抜き。「キャディ市場」の課題から、ゴルフ場の今を考える。 (構成・片山哲郎) 026
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