なので、確保できないと売上が下がる。派遣キャディを頼むと人件費は楽ですが、派遣の在籍キャディも少ないのでコース同士で取り合ったり、引き抜きも起きてしまう。当社は教育・研修で未経験者を育成してますが、一人前に育っても引き抜かれたら死活問題。一般的に転職は普通ですが、キャディ業界ではナイーブな問題なんです。当社はキャディ経験者の採用はゴルフ場との雇用状況や元の職場に確認するなど、細心の注意を払っています。ハウスキャディの定着率を高めるために、スタッフ同士の懇親会やコンペを行って、部署間の交流を深めるゴルフ場も増えてますね。業務が終わるとプレーできるなど、キャディは定年後のセカンドキャリアに最適だと思うんです。自衛隊援護協会は8月、退官後のセカンドキャリア支援の企業説明会をしますので、当社も参加します。「キャディ不足」をテーマにオンラインセミナーを開催した。同社は会員権売買だけではなく、新たなゴルフライフスタイルの創造も掲げるだけに、時機に適った企画といえる。ゴルフ場関係者104名が参加。その理由は「キャディ不足に悩んでいる」(42%)、「情報収集」(52%)と注目の高さが伺える。講師は泉ヶ丘CC(大阪府堺市・奧野将徳社長が務めた。開場は1975年、会員1159名、従業員170名。内キャディが90名(男性20名)と大所帯だ。他社がキャディ不足に喘ぐ中、代表就任後6年間で改革に着手。盤石の体制を築いており、前出のGMG八王子も、「以前、当社の支配人が視察で訪問しています」(森川社長)同業者の評価も高いようだ。以下、 当日の要点を奧野社長のトーク形式で再現しよう。ディ9名、パート73名、学生アルバイト5名、派遣3名で、全員が地元採用です。パートキャディは契約上パートですが、単年契約ではない無期契約も30名以上います。今日の本題「なぜキャディ不足になるのか?」ですが、そもそも日本企業の50%以上が人手不足で悩んでます。その中でキャディの労働条件は「山奥」「交通の便が悪い」「仕事内容がわからない」等の課題があるので、仕事内容や魅力について業界全体で訴求すべきでしょう。かつて、キャディは短時間でたくさん稼げると言われましたが、今は他のサービス業の給料が上がっているので、条件をもっと良くする必要もあります。当コースは都市部にあるため周辺人口が多く、募集すればそれなりにヒットするので、一般的なゴルフ場に比べればハードルは少し低いと感じています。■従業員満足度を考えるさて、論点の一番目はキャディ自身の満足度です。以前は「働きやすさ」が重視されて、休みが取りやすい、就労時間の短さが大事だと思われてましたが、最近の若者は自分の成長が実感できる、キャリアやスキルアップにつながることを重視する傾向があるので、働きやすさ以外のゴルカノ 宮原真里社長(キャディ育成・派遣業)キャディ付きのメリットは沢山あります。スムーズな進行でプレーに集中できる、ルールが不安でも教えてもらえる。大きなコンペではキャディ必須の場合も多く、セルフだとカート事故が起きやすいのですが、キャディが安全面に配慮してくれる。目土やグリーンのディポット処理も行うので、コースメンテナンスが楽になる。ホスピタリティで顧客満足度も高まります。キャディ不足の理由は、働き方の多様化で高卒キャディが採用できず、そもそもゴルフは若い子に縁遠くて就職の選択肢に入らない。知っていても、キツイ、ダサイ、お客さんから命令されるイメージもあって、入社しても離職率が高いのです。キャディ付きが基本のコースは、その日のキャディ数が受け入れの限界向上心を見逃さないキャディのゴルフ場の雇用環境キャディ不足を考える90名の内訳は正社員のハウスキャ27H)を運営する泉ヶ丘観光開発の029
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