GEW9月号
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部分も大事だと感じています。具体論に移ります。まず、現状認識を深めるため、全員に「満足度調査」を行いました。以前の従業員満足度は5点満点で3点、100点満点に換算すると60点。日本企業全体の平均が60点台と、日本社会は従業員満足が低い状況です。「不満」の第一は、経営陣が信頼できない。経営者の方針がわからず、明確な目標もないから「どうすればいいかわからない」でした。その次に、キャディや現場の声が経営陣に届かないというコミュニケーション不足。3番目は「研修・能力開発」の機会がほしいということで、私にとっては嬉しい不満でしたね。そして4番目は、頑張っても正当に評価されない。給与に反映されない不満が大きかったです。そこで具体的な対策です。1番目の不満に対しては、経営理念・行動理念を作って共有しました。決定に至るプロセスも共有し、貼り出し、判断に迷ったら理念に沿った行動をするよう伝えています。2番目の、現場の声が届かないについては、定期的なキャディ・ミーティングをしたり、「指導員制度」を設け、指導員が吸い上げた現場の声を経営陣と話し合います。取り上げるのは悪口ではなく建設的な意見。これで風通しが良くなりましたが、検討して実現できない場合はその理由も丁寧に伝えます。3番目の研修・能力開発は、以前は問題発生時にミーティングをする程度でしたが、今は閑散期にフォローアップ研修をしています。3人1組のロールプレイングで、スロープレーや過剰にアドバイスを求めるお客さんなど複数のパターンを想定し「あなたはどう対処しますか」と。その後ミーティングで解決策を共有します。キャディは一人立ちすると、他のキャディの仕事を見る機会がないので、評価が高いキャディがどんな仕事をして、どう評価を得ているのかを学ぶわけです。月一度のミーティングでは、キャディ・アンケートを分析しながら評価が上がる方法を重点的に話し合います。一番大事なことはその日「気持ちよくプレーして頂けたか」で、評価内容を細かく取ってます。挨拶、言葉遣い、ボール・クラブの受け渡し、ボール探し、残り距離、ライン読み、コース戦略、危険防止の説明など。細かいから「ザックリでいいよ」というお客さんもいますが、細かく取るとキャディの評価が具体的にわかります。一番差があるのは「距離やライン、コース戦略についての的確なアドバイス」だったので、研修での強化項目がわかりました。また、1週間ほどかけて来場者約500人から「ほしいアドバイス」を調べたところ「ピンまでの距離」「ライン読み」が多く、さらに「平均スコア別」で求められるアドバイスも調べています。上級者の場合はエッジまでの距離とエッジからピンまでの距離をアドバイスしようとか、このタイプは細かいアドバイスが不要だから風のことだけ教えようとか。ベテランキャディは経験的にわかりますが、その感覚を全員で共有するのが狙いです。■評価を給与に反映させるみんなもっと活躍したいのに、方法がわからなくて伸び悩むキャディが沢山います。経営陣が的確に導いて、良い評価を取れば仕事も楽しくなる。お客さんからの感謝が一番嬉来場者アンケートの内容を分析する          030

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