とんど報道されないが、実は今、コロナの11波が到来中で、新型は夏場に強いのだとか。油断大敵の状況だが、そこに新たな商機を見出したのが、ガラスコーティング剤の『ハドラス』だ。「全76打席のモニターに『ハドラス』を施工しました」『ハドラス』を販売するアドウェルの富山暁社長は、語気を強めた。8月上旬、抗菌・抗ウイルスタイプの『ハドラス』を、ザ・ゴルフガーデン高島平(都内板橋区)が導入したトラックマンレンジのモニターに施工(塗布)。同施設の松本秀二社長によると、「コロナ以降、衛生面を重視するお客様が増えました。来場者の安心感につながるのが導入の決め手」だったという。そのあたりの詳細に触れる前に、『ハドラス』の経緯を振り返ろう。アドウェルがこの商品をゴルフ業界に持ち込んだのは7年前。ゴルフクラブやシューズに施工すると、輝きを取り戻すガラスコーティング剤として、富山社長自身が店頭に立って施工・普及に努めてきた。輝きを取り戻すだけではなく、傷がつきにくく、特にゴルフシューズは施工後の撥水性や汚れのつきにくさが体感できるため、リピート客が増加した。結果、累計施工件数は150万件を突破。シューズに限れば年間4万足以上を施工して、年間10億円の新市場を創造した。ミソは、販売店の利益商材になることだ。店員が施工技術を学べば、ドライバー1本に塗布した場合3300円程度の売上が立つ。来店客は新品の購入に限らず、マイクラブの「新品化」も期待でき、売場は技術料で収益をつくれる。とはいえ、ゴルフ用品業界での成功は競合他社の追随を招いた。新市場が競合市場になるのは世の常で、打開策を模索したところ、練習場が視野に入ったという。富山社長の説明を聞こう。「『ハドラス』には抗菌・抗ウイルスのタイプもあって、スマホや距離計の画面、店舗のトイレやカウンター周りにも施工されています。今回これをトラックマンレンジのモニターに施工する提案をしたところ、採用が決まりました」1回の施工で、抗菌・抗ウイルス効果は約5年間持続するとか。施工時間は1打席につき10分程度で、作業は施設側が自ら行う。費用は1台当たり3000円程度が目安になる。前出の松本社長は衛生面以外の利点について、「抗菌効果以外にも、モニターに指紋がつきにくく、滑りやすく操作しやすい。施工証明書の掲示で対策していることを謳えます」せっかくの最新モニターも、指紋がベタベタついてたら興覚めだ。清潔感を重視する女性ゴルファー対策としてもアピールできそう。固定資産税や相続税の負担に耐え切れず、閉鎖に追い込まれる練習場は多いが、活路を求める施設ではトラックマンレンジ以外にもトップトレーサー・レンジやスイングナビなど、弾道測定器の導入に意欲的。その分、モニターへの施工件数も増え、ほかに椅子やテーブル、ICカードリーダーやティーアップ機の操作部など、接触箇所は総じて施工対象になるだろう。むろん、インドアも同様だ。抗菌・清潔・操作しやすい……。競合の差別化策として、ガラスコーティングに注目が集まる?(大矢) ほ 033『ハドラス』施工でトラックマンレンジのモニターもピカピカのツルツル!「清潔」をPRすれば女性ゴルファーも増えるかも?ゴルフ用具から練習場へ抗菌で商機広げる『ハドラス』Golf RangeGolf Range
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