GEW9月号
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      住友ゴム工業は8月、今年上半期(1月1日~6月30日)の業績を発表した。売上は約5870億円(昨対4・6%増)、営業利益は約419億円(249・5%増)で、大幅な増収増益を記録。タイヤ4961億円(5・3%増)、スポーツ716億円(5・0%増)等で、全体の85%をタイヤが占める。ゴルフ用品が主体のスポーツ事業は、韓国の市場悪化が影響して予想の745億円に届かずも、売上・利益とも過去最高を記録したという。その理由を、ゴルフが日本、北米、欧州で増販、テニスが日本で増販と説明するが、上半期の円安トレンドが大きく影響したことは言うまでもない。同社の平野敦嗣広報部長は、「昨年12月に発売した13代目『ゼクシオ』が日本や北米で順調に売れて売上は昨年同期を上回りました。為替の影響については、もちろん円換算ベースでの海外売上高増加に寄与していますが、最大のゴルフ市場である北米を中心に着実に海外でのプレゼンスは向上しています」地域別のスポーツ売上は、日本198億円、北米236億円、欧州119億円、アジア136億円、その他27億円で、日本以外が72・3%と7割超を構成。販社ダンロップスポーツマーケティングの木越浩文社長は、昨年10月の記者発表時、「『ゼクシオ』の海外比率は57%(2023年8月現在)で、国内との逆転現象が起きている。これは数量ベースなので円安要因を含みません。北米は富裕層中心に売れてます」と話していたが、これに円安が加わって、国内市場を大きく上回る成果を見せている。スポーツ事業の下半期は売上609億円(4%増)、通期では1325億円(5%増)を計画中。2027年までの中期計画では、「北米は、ゴルフ場中心に新規の営業開拓を進め、欧米ツアーでは契約プロの勝利数1・5倍を目指します。また、ゴルフボールは北米市場で取引先数15%増を計画します」と、北米市場への注力に言及している。国内市場では米国三強メーカーに劣勢の日本メーカーだが、住友ゴムの攻勢は出色と言える。今年下半期以降は『スリクソン』の発売が予想されている。(吉村)038ゴルフは北米市場でのシェアアップに邁進すると山本悟社長住友ゴムのスポーツ事業円安で海外販売比率7割超Golf MakerGolf Maker

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