GEW9月号
44/49

天然ゴムも同じでしょうが、木の表面を傷つけると樹液が出る。漆は掻けるまで何年かかるんですか。「植えてから15年ほどですね。それで『漆うるか掻しき』が10年ほど掻くとダメになりますが、その漆を何に使ってるかというと、国宝の修理なんですよ。二戸市の漆はサステナブルに貢献している」ゴルファーの寄付が国宝を支えてるわけですね。「おっしゃるとおりです」いい話じゃないですか。「本当はもっといろいろやりたいけど、寄付が集まらないので……」年間の活動資金は?「そうですねぇ。3000万~4000万円ぐらいのレベルで、集まる協力金は年間6000万円超ですが、使えるお金はその半分ぐらいかな。事務局もありますし」スタッフは何名ですか。「3名です。私はボランティアなので含まれませんが、けっこう大変な仕事なんですよ。お金を集めて経費処理をするだけじゃなく、毎月加盟コースに連絡をして請求する。管轄の内閣府に活動報告もあれば監査も受ける必要があるし、協働している他団体、例えば二戸市に行って話し合州大学の縣和一名誉教授がゴルフ場の環境保全効果を発表しています。当時は約2400コースで、ゴルフ場の樹林地が固定する年間のCO2量を460万トンと試算しました。電力会社が発電で排出するCO2に換算すると、230万世帯の消費電力量に相当する。それだけのCO2を、ゴルフ場は吸収固定してることになります。凄いですよね。「そう、すごく効果あるんだなと思いますよね」もっとPRすべきですよね。いをしたりとか」漆掻きとも話すんですか?「あなた掻きすぎじゃないですか」とか。「いえいえ(苦笑)。漆掻きとは話しませんが、市長と話すことはあります。あと被災地の復興支援事業では『ゴルファー未来の森北官林』や『GGGサクラの森』で松林や桜の植栽をしたり。植えるだけではなくメンテナンスしないと定着しないので、そこまでやる活動なんです」へえ~、大変なんですねえ。「あとね、3000万~4000万円の半分ぐらいは、ゴルフ場がある都道府県の緑化団体に一定の比率でお金が行く仕組みですが、お金が行った先の団体がどんな使い方をしているのか把握して、内閣府に報告する義務もあるんです。我々の活動について皆さんは、あまりご存知ないと思いますが、大事なことをやってる団体なんです」ていうか、PRが足りないんじゃないですか。「んー………」調査研究の面では2007年、九「PRの話ですけどね、何のためにPRするべきだと思いますか?」ひとつにはゴルフ界のイメージです。ゴルフ場に自然破壊のイメージがあるなら、そうじゃないとPRして、業界で働く人の意識やプレーヤーも胸張ってゴルフ場に行ける。「それは全く同感です。その発想で今の団体があるわけですから。だけどこういった研究成果があって、公表してるわけだから、誰でも使えるデータじゃないですか。でも、誰も報道しませんよ」ゴルフ場CO2吸収は230万世帯の電力分            

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る